じぇねれーしょん
「人聞きが悪いなぁ~。喜びは分かち合いましょーって話でしょ。それを皆で祝うか、七緒さんと二人で祝うかってささやかな違いだよ。」
じゃ、待ってる、と言い残して歩き出したリカに七緒は慌てた。
「ちょ、待って…急に言われてもいつ帰れるかなんて………」
可愛くてもリカが男の貌を持っていることを十分知っている。
ノコノコ出向いて行ったら何をされるか分かったものじゃない。
だから毅然と断わるべきだと分かっていて、そんな曖昧な逃げ口上を口走るあたり、焼きが回っていると自分で呆れる。
「待ってる。」
リカは無邪気なコドモの笑みで手を振ってその場から去った。