じぇねれーしょん
「さっきも言ったけど脅されてるのもう忘れちゃった?七緒さんに拒否権はないんだよーだ。」
コイツは二重人格か。
というか、ネコの皮厚すぎというべき?
「……この小悪党!」
さっきは飲み込んだ言葉がつい口を迸る。
「ハイハイ、小悪党。いいじゃん。大金要求してるわけじゃないし。つか、七緒さんだって損じゃないでしょ?だって俺とスルの嫌いじゃないよね。」
断定的なその台詞に七緒はバカ正直にもぐっと言葉に詰まった。
嫌に決まってるでしょ、と突っぱねるべきだったのに。
焦るほどに頬に熱が溜まっていく。
リカは勝ち誇ったようなどこか得意げに見える笑みで言った。
「七緒さんが安心して寄りかかれるようなステキな男が現れるまで俺が構ってあげる。」
無論、七緒に拒否権などあるはずもなかった。