じぇねれーしょん




私ったら、サイテー……




グラスに入った虹を前に、七緒は幾度目かの後悔を溜息とともに吐き出した。


利嘉と再会し、家に訪れるようになって早数日。

こんな不道徳な関係は早いとこ精算するに限る、と理性ではわかっちゃいるのに、ずるずると続けている。




―――だって、心地よいんだもの……。


疲れた体を引き摺って家に帰ってみても、一人暮らしの殺伐とした生活。

まさに仮眠を取るだけの部屋にウルオイもタノシミも、何一つない。


ここに来れば、カワイイワンコが待っていて、笑顔でオカエリと言ってくれて、一日の疲れを労う言葉を掛けてくれて、美味しいカクテルまで出してくれちゃうのだ。


それでもって……

人肌寂しいのを慰めるように甘い甘い夜のご奉仕付きときた。


至れり尽くせり。

まさに天国!



…まぁ、夜のご奉仕は些か行き過ぎて、次の仕事に影響しなくもないけれど。


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