じぇねれーしょん


手に入れてから殆ど毎日呼びつけた。


仕事の具合によって訪問時間はかなりマチマチだが、律儀な七緒はすっぽかすことなく来てくれる。


律儀というか脅されてなのだが、関係をバラスという脅しがどれほど効果があると思っているのか。


万が一にばらされたとしても、ごまかすことは容易いはずで。


少なくとも脅されてさらに関係を深める方がよっぽどマズイと思うのだが。



七緒は生真面目な分、どこか抜けている。

恐ろしく。



大人面で説教を食らわせるくせに、利嘉の媚にスグ騙される。

情事には殊の外難色を示し、ごねてごねてごね捲くるけれど、少し強引に押せばあっけなく陥落する。


不安な一面、可愛いと思ってしまうあたり末期だと利嘉は自嘲する。


この天然が改善されない限り安泰だろうと思いつつ、不安にならなかったわけではなかった。


呼び出すようになって一週間過ぎ。


少しずつだけど七緒の様子が変わった。


利嘉の顔色をこっそり伺い、時折何かを言おうとして結局、飲み込む。





―――本気で最後通牒か。


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