じぇねれーしょん
仕事の都合で零時近くの訪問。
少々お疲れモードの七緒が、恒例となっている貸切自宅カクテルバーでカクテルをジッと見ながらとうとう口火を切った。
『………あのね』
無論、迎撃するだけの言葉は用意して、しかし内心は少々ヤキモキしながら「なあに?」と問い返した。
『あのね………もう明日から来られない。』
推測していたとはいえ面と向かって言われると正直胸が軋む。
でもね。
何を言おうと認めないから。
無論、そう強く叩きつけるつもりだった。
俺がどんな思いで七緒さん、手にいれたと思ってんの?
そんな簡単な言葉ですんなり終わらせられるくらいなら、脅して来いなんて言わないんだよ!
仕事先まで押さえちゃって、…って、俺、思考がほとんどストーカーの域なんだけど!?
それほど俺は―――
それほど七緒さんのことが―――
イライラしながら口を開きかけ、続いた言葉に掻き消された。
『仕事が立て込んできてっ、……暫く来られそうもないの!!』