じぇねれーしょん


暫くの会話ですっかり打ち解けた雰囲気になった。


そして一拍置いて、控えめな質問が飛んできた。


「で、えっと……カレシ帰っちゃったんですか?」


単はカレシではない。


しかし、躊躇いがちな態度が可愛かったのでつい意地悪してしまう。


「そ。恋人からの電話ですっ飛んでったわ。」


「えっ……!」


酒瓶を選んでいた手が止まった。


案の定というべきか、若いバーテンダーは衝撃告白に(しまった!)という顔をしてくれて、七緒はクスリと笑みを零す。



出来上がったカクテルはショートグラスでピンク色の液体が入っていた。


甘いけれどすっきりとした喉越しで美味しい。


「美味しいわ。……でも、これが私のイメージ?」


「ええっと……」


バーテンは今度こそはっきりと躊躇して、戸惑いながら呟いた。


「七緒サンのイメージって言ってもやっぱ知らないこと多すぎるし……。これは七緒サンとの出会いに対する私の気持ち?」


「アナタのキモチ?」


七緒は愉快そうに問い返す。


「ステキな大人の女性だなって。頭よさそうだし、クールにバリバリ仕事こなしそう。で、スキッとクールな喉越しの女性に今宵お会いできた嬉しさを甘味で表現してみました。」



クスクスと七緒は笑った。


「そーねぇ。仕事の鬼なのは否定しないわ。でもステキな大人の女性って評価はどうなのかしらね。忙しくて恋人にも逃げられちゃうようなツマンナイ女……冷たい、だったかしら。まぁそんな感じでフラレちゃったくらいだし。」


「ふ、フラレちゃったんですか!?」


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