じぇねれーしょん
電話口でリカがふふふっと笑う。
『不定期リカちゃん通信』
「何なの、それ……」
『聞いてそのまま。あんまり仕事ばっかじゃ息が詰まるでしょー?時々、どーでもいい内容で息抜きするのもアリかなって。』
仕事で硬くなっていた心をふわっと暖かい手で撫でられた気がした。
冗談っぽく言うけれど、リカの気遣いは十分に伝わる。
なんに対しても一直線に突き進む七緒だから、仕事となるとプライベートは一切切り捨てて仕事に励む。
時折、誰かに甘やかしてもらいたいような心境でも。
そんなのは気のせいだと、自分のSOSを見ないフリで直進する。
仕事とプライベートを両立するほどの余裕がないのだ。
心にも体にも。
だから電話一つ出来なくて、彼氏に見限られる。
彼氏にしても七緒の多忙を十分に理解し、仕事の立て込んでいる時期に無茶を強いてはこないのだが、その理解のよさが二人の間に距離を置くのも事実だ。
自分からは電話する気力もないくせに、相手には時折、我侭にコンタクトを強請って欲しいと思うのは勝手過ぎると分かっているけれど……。
リカはそんな要求を見透かしたのだろうか。
なんにせよ、リカの気遣いに心を擽られたのは確かだ。
―――でも。