じぇねれーしょん



七緒は電話越しに表情を翳らせた。


「……ゴメンなさい。せっかくメールしてくれても返事できないわ。ちゃんと見られるかどうかも分からない…」


仕事の最中は仕事を優先させる。


その挙句にプライベートは疎かになる。


せっかくの気遣いを無にしてしまうようで七緒は居た堪れない思いに沈む。



すると、そんな気持ちを一掃するように、電話口から『くすっ』と笑声が洩れた。



『いいんだよ。リカちゃん通信はメールじゃなくて、ブログなんだから。七緒さん専用のリカちゃんチャンネル。』


「……私専用のリカちゃんチャンネル???」


『そ。ホラ、ブログって好きな時に記事アップして、閲覧者も不定期に覗きにくるじゃん。コメだって入れたり入れなかったり……。
これもね、俺が勝手に送りつけるだけ。七緒さんは見なくてもいいし、気が向いた時だけレスしてくれればいいんだよ。』



やさしい言葉が胸に染みた。



どうしてこの子は若いのにこんなに気遣い上手なんだろう。



七緒が忙しいのをちゃんと弁えていて、無理な要求はしない。

それでいて七緒が甘えん坊なのを見透かしたように手を伸ばしてくる。



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