じぇねれーしょん
店を彩る喧騒に塗れて、利嘉は鼻歌を歌いながらグラス磨きに精を出していた。
時折時計を伺っては、ニヤニヤと隠しきれない笑みで顔を緩ませる。
「キモチワリィ」
晴可にばしっと頭を叩かれ首を竦める。
「ナニヨ。コレでもくんの?」
突き立てられた親指に肯定の笑み。
晴可は呆れたように溜息を吐いた。
「あんま店であからさまに態度に出すなよ。一応、サービス業なんだかんな。」
「うん。無理。」
悪びれもせず答える利嘉に晴可は深く溜息を吐いた。
晴可の言い分は分かる。
だけど、こればかりはどーしよーもない。
なんせ、会うのは殆ど一ヶ月ぶりなのだ。