じぇねれーしょん
「なんでそこで七緒が出てくんのよ。………つか、オマエって……」
マジマジと覗き込んでくる男に対抗するように利嘉も厳しい顔を突きつける。
「アンタだって女連れで会うの気まずいだろ?つか、気まずいと思えよ!七緒さんが彼女見てどんだけ傷つくとか、少しは考えねーの?」
語気を荒げる利嘉を男はジッと見詰めた。
「ふーん」
男の口端に挑発的な笑みが浮かぶ。
「色々、よく分かんねーけど。オマエ、男なんだ?……でぇ、七緒とどんなカンケーなわけ?」
「アンタに説明する義理ない。つか、七緒七緒呼び捨てすんな。アンタこそ七緒さんとどんなカンケーでもねーだろがっ!」
忌々しい。
二人を見て七緒が傷つくのも見たくないけれど。
何より。
この男が単純に気に入らない。
威風堂々としたオトナの姿にライバル心を刺激されるし。
七緒の過去を共有しているというのが、尤も腹立たしい。
どーしようもない嫉妬だと自覚していても。