じぇねれーしょん


戸口を見ると、扉を開けた格好のまま固まった七緒がいた。


と、そこへ


「あれー?」


暢気に陽気な声を響かせて、トイレに行っていた女が戻ってきた。



サイッッアクなシチュエーション………!


女は七緒の姿を捉え、ぱぁっと顔を明るくした。


「オヒサシブリでーす、七緒さんっ!相変わらずステキッ!会いたいって単に何度もお願いしたのに、七緒さん忙しいからダメだって言われて寂しかったんですよぅ。」


「あ……ええ。百合ちゃんも相変わらずね……」


飛びつかれた七緒は引きつった顔に無理矢理笑顔を張り付ける。

それに利嘉の胸がチリッと痛む。



「七緒さんっ、そんなヒトにまともに挨拶することないよっ!つか、アンタ何様!?よくそんな平然と挨拶なんかできるよな!?」


「ちょ…リカ?何言って………」


百合に噛み付く利嘉に七緒が困惑したように眉を顰める。





もの言いたいのはコッチの方だ。

これがオトナの対応ってヤツか?

でも、生憎だが、オトナだろうとコドモだろうとユルセナイものはユルセナイ。


< 85 / 233 >

この作品をシェア

pagetop