じぇねれーしょん
七緒は途方に暮れた視線をいきり立つ利嘉から男へ向けた。
どういうこと?と。
男は軽く肩を竦める。
「それはコッチが聞きたい。オマエ、一体どーいう説明したのよ?俺が七緒フッたとかなんとか、散々な責められようなんだけど?」
「………………は?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔が、次いで大いに強張った。
「り、リカ……あの…あのね……」
利嘉に向き合った七緒は、天を仰ぎ、頭を抱え、
―――そうして意を決したように口を開いた。
「ゴメンなさい!単は、…………………弟、よ。」
は?
フリーズする利嘉に七緒は必死に説明を補足する。
「えと、ハジメテここに来た日、ね?
フラレタのは本当で、でも相手は勿論、単ではなくよ。単は私が落ち込んでるのを見越してここに誘ってくれて。彼女から連絡があって帰っちゃったんだけどっ。
せ、説明がメンドウだったし、…まさか、説明するようなことになるなんて思ってなかったわけで…すっかり忘れてたのだけど…」
単は弟なの。
七緒ははっきりとそう繰り返した。