じぇねれーしょん


ああ、こんなことなら最後に一発平手くらいお見舞しとけばよかった。


浮気の告白がたぶん最後のチャンスだった。


寂しいのがアンタだけだとか思い上がるな!とか。


仕事が忙しくて構ってやれないなんて負い目も棚上げして、本心をぶっちゃけておけば少なくとも別れ話など持ち上がらなかったはずだ。


だけど、ゴメン。


醜態を晒してまで引き止める勇気はなかったの。


口論するだけの体力的余裕もなかったの。


一生懸命仕事を終わらせて、そのご褒美みたいに甘やかしてもらえればそれでよかったの。


なのに、面倒ごとを持ち出されて正直、どっと疲れた。


「はぁ」と我ながら溜息だか返事だか分からないような声しか出せないほどに。


疲れた。



別れ話にすら面と向かえるだけの余力が無い女だもの。


切り捨てられて当然といえば当然。


立場が逆なら自分だって吹っ切る。








結局、私は可愛げも若さも無い枯れた女なのだ―――……
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