じぇねれーしょん


濡れた唇を吸い上げ、放しては、また重ねる。

舌で柔らかな口内を弄り、舌を絡め捕る。



――― 一ヶ月ぶりの七緒さん。


触れてみて分かる。

自分がどれだけ七緒に飢えていたか。


聞き分けのいいオトナのフリをしてみても、この想いだけはごまかされてくれない。


本当に、会いたくて、触れたくて、仕方なかったんだ。

いつも。

毎日。


名残惜しく思いながらも唇を離し、上目遣いに七緒を伺う。



「……貸切カクテルバー、また今度で、ダメ?」



あーもー。

我ながらホント、我侭なお子ちゃまで参る。


本来なら、七緒の望むだけカクテルを作ってやって、至れり尽くせりを満喫させてあげたいのに。

するつもりだったのに。

それが格好イイ大人の男だとわかっちゃいるのに。


無理。


オトナに成り切るなんて絶対無理。

つか、いっそ『覚えたてのチュウボウ』レベルに成り下がってるし。


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