みんなとお月様
「ちょ、ライ⁈」
「響、ひとつだけ忠告してやるよ。
そんな中途半端な言葉で望心ちゃんの心に響くと思うなよ」
指を立てて、言ってくるライはドヤ顔をしている。
イケメンのドヤ顔は意外にも様になるのか……。
「ってお前は篠原の何を知ってるんだ!」
息を荒くしてふたりで揉めるが、篠原は全く聞いておらず。
「柚香、早く帰ろう?」
「そうだね。
男子もいるとはいえ、遅くなっちゃったし」
また柚香とは遊びたいな、なんて酷すぎる。
俺らはどうなるんだよ。
今日はみんなで遊んだっていうのに、邪魔者扱いが激しい。
何はともあれ、月が揺れるように空に浮かぶ中、俺たちは先を歩く篠原たちの元へと慌てて駆けた。