となりの南くん。
1#° 南くんの隣の席。



高校2年の五月。
梅雨に入りかける頃。

教室からはいつも通り楽しそうな
話し声が聞こえる。
私も友達とおしゃべりして
楽しんでいる人の1人だ。


でも、やっば気になる。
気になってしかないのだ。




私がここまで気になっていることは

私の隣の席。


始業式の時からずっと来ていないのだ。

どんな人なんだろう。
なんで学校に来ないんだろう。

日に日に疑問は増える。



「あゆ、さっきから南くんの席ばっか
見てるけどどーしたの?」

私が隣の席をちらちら見ていたのか、
友達のゆうみがそう言った。


南くんて言うんだ。

「あ、南くん?て人、なんで
学校来ないのかなーって思ってさ。
隣の席だけどどんな人なのか
わからないんだよね」

すると、ゆうみは急に
驚きの声をあげた。



< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop