となりの南くん。
1#° 南くんの隣の席。
高校2年の五月。
梅雨に入りかける頃。
教室からはいつも通り楽しそうな
話し声が聞こえる。
私も友達とおしゃべりして
楽しんでいる人の1人だ。
でも、やっば気になる。
気になってしかないのだ。
私がここまで気になっていることは
私の隣の席。
始業式の時からずっと来ていないのだ。
どんな人なんだろう。
なんで学校に来ないんだろう。
日に日に疑問は増える。
「あゆ、さっきから南くんの席ばっか
見てるけどどーしたの?」
私が隣の席をちらちら見ていたのか、
友達のゆうみがそう言った。
南くんて言うんだ。
「あ、南くん?て人、なんで
学校来ないのかなーって思ってさ。
隣の席だけどどんな人なのか
わからないんだよね」
すると、ゆうみは急に
驚きの声をあげた。