魔法の国と私の恋
選ばれた人間とか、役目とか・・・

そんなこと全然耳に入ってこない。

そんなこと冷静に聞いてる余裕なんて、あるわけがない。


ああそうだ・・・これは夢なんだ。


「夢じゃないよ。」


その、ピピと名乗った男の(雄の?)鳥がすかさず言う。


「!!
 私の心の声、読んだの!?」


「読まなくたって、顔見れば分かるよ。
 受け入れてね、これは現実だから。」


「私・・・もう帰れないの?」


「帰れるよ。
 しかも、好きな時にいつでも行き来ができる。」


「行き来?」


「とにかく、城に行ってもらわないと始まらないんだよ。」


「城?」


「この森を抜けたところに、この国で1番大きな街がある。
 その真ん中に位置する場所に、城がある。」


「まさかそこに、王様がいるとか・・・言わないよね?」
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