世界は私達に優しくない
「あーあ、今日は何時にも増して真っ白ね?」
りえは由希の机の前に在る椅子に腰掛け、面白い物を見る様な目で笑う。
りえの視線の先に居る由希は、言葉通り真っ白になり今にも灰と化してしまうんじゃないかと思わせる程で、生気を失って居た。
「あー、うー…」
「あまりのショックに言葉すら話せないなんて…」
手をふよふよと力なくさ迷わせ、言葉にもならない声を漏らす由希。そんな由希にりえは頭を抱える。
一日目は良かったのだ、明日はきっと大丈夫だと。
二日目もまだ由希の気持ち的にも大丈夫であったが、三日四日と過ぎ…今日ついに凌空と顔を合わす事もなく一週間が経って居たのだ。
流石の由希も、一週間という日数にショックも絶大で、元気に振る舞う余裕すらなくなった。
「家に突撃して来たら?」
「うー、で、でも…何回か会いに行ってるんだけど、会いたくないって!」
「あ、ああ~…もう実行したんだ」
最後の方はもう聞き取りずらい程小さくなる由希の声に、りえは感心しながらも苦笑いを浮かべ「じゃあもう無理じゃない?」っと興味をなくしていた。