世界は私達に優しくない
 

そう、由希はもう二日目には凌空の家に行っていた。しかし凌空の母親から返って来た言葉は、由希が予想して居た物とは全く違った。


『由希ちゃんごめんね~? 凌空具合悪いって言って部屋から出て来ないのよ』

『…えっ』

『だから由希ちゃんにごめんって謝っておいてって。なんか此処最近、あの子部屋から出て来ないのよー。由希ちゃん何か知らない?』

『あ……いえ』


返って来た返事に同様を隠せなかった由希は、まだ話そうとする凌空の母親に適当な事を言い、逃げる様に自分の家に戻った。

それ以来、また断られるんじゃないかと思う様になったら行きづらくなってしまい、学校でも擦れ違う凌空に声すら掛けられなくなってしまったのだ。


「はあ…」

「溜息禁止!」

「あでっ」


最近の事を思い出し、深い溜息を吐いた由希に瞬時にデコピンをされる。その額を摩りながら、もう一度今度は小さく溜息を吐いた。



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