半分こ。
「おわー。りん!…久しぶり~」
う゛。
その声に振り向くと…
予想通り 十番組 組長の原田佐之助が
こちらに向かって来る。
「佐之…。」
りんの声音が下がる。
正直なところりんは原田が苦手だった。
その理由は――
「りんーー!!!!」
原田がりんの肩に腕をまわした。
そのまま 接吻……
しようとする彼をりんは必死に払う。
――これだ。
原田は会う度にこうなのだ。
「やめろっ!!」
りんは原田の額を指で弾いた。
原田は長身で
種田流という流派の槍を使う。
そんな中 隊務を終えて戻ってきた
八番組 組長の藤堂平助と
二番組 組長の永倉新八が歩いてきた。
「りんー。久しぶり!」
藤堂はりんと年が近い。
藤堂家の落胤らしいが、定かではない。
「りんちゃんも忙しいんだよね~。」
永倉が言う。
彼は何しろ良く食べ剣術ばかりしている。
「そんな事より一手 打ってく?」
藤堂の誘いにりんは目を輝かせた。
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