体育館12:25~私のみる景色~

 先輩の生暖かい息が耳にあたって、身体がぞくっと震えた。


 なんなの、これ。


 恥ずかしすぎて、顔から火が出そう……!


 自由になった両手をほっぺにあてた。


 先輩を見ると、なぜか顔を赤く染めていて。


「なっ、なんで先輩まで顔赤いんですかっ」


 自分も恥ずかしくなるくらいだったら、あんなことしなきゃいいのにっ。


「るせえ!! てめえがこんな反応すると思わなかったんだよ!」


 怒鳴られたけど、今顔が赤いのは照れてるからだって思うと、全然こわくない。


 逆に、必死になっているその姿がおかしくて、可愛くて。


 なんだか笑えてくる。


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