体育館12:25~私のみる景色~
でも、もう逃げたりなんかしないもん。
たぶんだけど。
「だからお前はしばらく、このままなっ!」
「えええぇぇっ!?」
そう言うなり、にじり寄ってきていた中原先輩が突然タックルをかましてきた。
避ける暇もなかった私は、勢いよく後ろにあった壁に激突して。
「いったい~……。頭打ったあ」
後ろ頭を強打した。
ついでに背中とか腰も。
もう、いきなりなにするんだろっ!
これはさすがの私でも怒るレベルだからね!?
文句を言おうと顔を上げた瞬間。
ちょうど頭の真上付近から、ダンっという音が振動と一緒に私へと届いた。
視界に広がるのは、第3ボタンまで開いたワイシャツ。
……これもまた、デジャヴなんですけど。