体育館12:25~私のみる景色~
というか、浮かれてた私が悪いけどさ、テストがあることくらい教えてくれてもよかったじゃんっ。
「テストって知ってたら勉強したよ! なんで教えてくれなかったの? いじわるっ!」
もはやこれは八つ当たりなんだけどね。
今日だってりんちゃんに呼び出されて、バスケ見られなかったし。
私の至福の時間がこれから1週間も奪われるのかと思うと気が遠くなりそう。
「あのねえ、うちら、ちゃんと言ってたからね? テストあるって!」
「うっそだあ、私聞いてないよっ」
半ギレで言う涼に、私も言い返す。
だって、聞いた覚えないからこんなことになったんじゃんか!
「まあ、2人とも落ち着いてぇ?」
千夏が間に入って私たちをとめる。
「亜希はメールに気をとられてたみたいだし? あたしたちの声なんか聞こえてなかったかもねえー?」
涼がふんっと鼻を鳴らして言った。
あ、たしかに最近、メールに夢中になってて、涼たちの話に適当に返事してたかも……?