体育館12:25~私のみる景色~

 私が言うと、中原先輩は私たちが座っていた窓際の1番後ろの席まで歩いてやってきた。


「ああ、なんだ、お前残ってたのか。コレ、お前んだよな?」


 仏頂面で差し出されたのは、紛れもなく私がギャラリーに置いてったお弁当だった。


「え、もしかしてこれ、わざわざ届けてくれたんですか……?」


 私が聞くと、少し照れくさそうに「おう」とだけ言った。


 中原先輩って笑顔はかわいいけど、ずっと怖い人かと思ってたんだよね。


 だけど、こうして親切にお弁当届けてくれるってことは、そんなに悪い人じゃないのかな?


「あの、ありがとうございました! でも、よく私のクラスわかりましたね?」


 何で私のクラスがわかったのか不思議に思って聞くと、中原先輩は顔を赤く染めた。


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