体育館12:25~私のみる景色~
というか、今日はたまたま早起きしたから、私がお弁当作ったんだよね。
「あの、事後報告みたいになるんですけど。実はそのお弁当、私が作ったんです。だから、食べたこと怒ってるんじゃなくて」
「は!? え、あの弁当お前が作った!? ……まじか、しくったー。恭也に食わすんじゃなかった」
『お腹壊したりしたらすみません』と言おうとしたら、私の言葉を遮ってなぜか慌てた様子の中原先輩は、意味不明なことを言ってしゃがみこんでしまった。
えっと、そんなに私のお弁当まずかったかな?
それとも、まさかほんとうにお腹こわしちゃった?
少し心配になって、先輩の横に同じようにしゃがんで背中をさすってみた。
「え、ほんとにお腹壊しちゃいました? うわあ、どうしよう~」
涼~、と今まで放心状態だった涼に助けを求めた。
そんな私に気づいた凉は思いもよらない行動に出た。
「ごめん! 用事思い出した帰る!」
「え!?」
あとはまかせたって顔で、涼はダッシュで教室を出て行ったのだ。
え、えぇー。
なんでー!