体育館12:25~私のみる景色~
「亜希、これからよろしくね?」
「よ、よろしく……」
ほら、またそんなふうに笑うから、女の子たちが騒いでるよ?
なぜか男の子たちは、みーくんを羨望のまなざしで見ている人もいるし、睨んでたりしてる人もいる。
「あはは、みんなの反応おもしろすぎでしょ」
ほら、楽しんでるし。
もう呆れてものも言えないよ。
でも、こんなみーくんを嫌いにはなれないんだけどね。
その時、スカートの右ポケットに入っていたケータイが震えた。
まだ先生は来てないし、開いてメールを確認して、思わずぶるっと身震いした。
『どういうことか、あとで説明してもらうからね?』
うわわ、涼は私がみーくんのことを何も言わないでいたことに、何か言いたいらしい。
恐る恐る涼の方を見ると、何で黙ってたのとでも言いたげな顔で私を見ていた。
急いで『あとで話すね、黙っててゴメン』とメールを打って送信した。
送った直後に先生が入ってきて、1時間目の授業が始まったんだけど。