体育館12：25～私のみる景色～

　よし、まだめげない。


　好きでいたい。


　好きになってもらいたい。


　迷惑にならない程度なら、頑張ってみてもいいかな……？


　考えてみれば、佐伯先輩のことが好きだって言いつつ、今まで何も努力してこなかった。


　そりゃあ、全校の女子生徒が敵になるわけだから、目立ったアピールなんてできないし、校内で話しかけるなんてもってのほかだけど。


　だけど、私にはメールっていう武器があるじゃん？


　誰にもバレないで、ひっそりと頑張れるような武器が。


　今は佐伯先輩は受験期だし、だからって遠慮ばかりしてたら、何も言えないまま卒業なんてこともありえるんだ。


　せめて、勇気を出して告白したいもん。


　結果がどうであれ、気持ちは伝えたい。


　そのために、少しだけ頑張ってみてもいいかな……？


　密かに、そんなことを心に決めた。


　そうだ、そろそろ戻らないと、涼たちも心配しちゃうねっ。


　目の腫れもだいぶひいたみたいでよかった。