体育館12:25~私のみる景色~
教室を出ると、すぐ近くの壁のところに佐伯先輩と中原先輩は立っていた。
「お前、遅い」
鋭い目つきで中原先輩に睨まれるけど、待っててくれたんだとわかって頬がゆるんだ。
中原先輩は見た目はチャラいし怖いけど、悪い人じゃないってことはもうわかった。
それに、佐伯先輩も女子に冷たいって聞いてたけどそんなことなくて。
いざ、対面してみると全然普通で、いつの間にか私もいつもの調子に戻っていた。
でもやっぱり、佐伯先輩を見るだけで、ドキドキするんだけどね。
「遅くてすみませんっ! そういえば、先輩たちって帰り自転車ですか? 私は電車なんですけど」
言いながら佐伯先輩から私のカバンを受け取り、玄関へ向かって歩き始める。
私の少し前に中原先輩と佐伯先輩が隣り同士で歩いていて、私はその後ろをついて行ってる。