体育館12:25~私のみる景色~
私の質問を聞いた佐伯先輩は、目を見開いて驚いているみたいだった。
こんな質問されるなんて思ってなかったんだろうなあ。
微かではあるけれど、頬も少しピンクに染まっているように見えなくもない。
さて、先輩はなんて答えるのかな?
もし好きな人がいないなら、この質問に答えることなんてできないでしょ?
もしいるのなら、佐伯先輩の好みに近付く道を知れるってこと。
だけどそれと同時に、佐伯先輩に想い人がいるっていうことと、私は失恋決定ってことがわかることになる。
答えられないのなら無理に聞かない。
だから、好きな人がいてもいなくても、関係ないような質問だけどね。
それでもこの質問をしたのは、表情から少しくらい、何か読み取れるんじゃないかって思ったから。
もし答えてくれないのなら、その代わり、私も佐伯先輩の質問に答えないだけだし。
私が質問されたのは、バスケを見てるのか、その内の誰かを見てるのかの2択だけど、言いようによっては誤魔化すこともできる質問なんだよ。