体育館12:25~私のみる景色~
長かった英語の授業が終わって、10分休み。
「亜希~、おはよう~! 心配したんだよ?」
目を潤ませながら言葉をかけてくれたのは、千夏。
大きくてクリッとした目からは、今にも涙が零れ落ちそうだ。
「心配かけてごめんね。昨日からいろいろあったんだよー!」
「まあ、無事だったから安心したけど。で、昨日あの後どーなったわけ!?」
ホッとしたような顔をしていた涼が、いきなり詰め寄ってきたからびっくり。
昨日逃げたくせに。
もし涼が昨日逃げてなかったら、今日遅刻しなかったかもしれないのに!
まあでも、いくら人気とは言え、見た目チャラいし怖そうだし、逃げたくなるのもわかるけど。
「ん? そういえば昨日何があったんだ?」
純子は不思議そうな顔をしてる。
同じく、千夏も。