体育館12:25~私のみる景色~
純子に抱きついて、胸にスリスリと頬ずりした。
「はいは~い! ニブ子ちゃんな亜希には、千夏が教えてあげまぁす!」
そんな私の様子を見ていた千夏がノリノリで喋り始めた。
「亜希ね、自分はモテないなんてバカなこと思ってるみたいだけど、実は亜希がうちらの中で1番モテてまぁすっ」
……なにごと?
私が1番モテてる?
「そんなわけないじゃん! 今まで告白されたこともないんだよ!?」
ありえない嘘にじゃっかん怒りがめばえた。
「はあ。まあ、亜希が信じられないのもわかるけど。でもコレ、事実だよ」
眉を下げて困ったように笑いながら涼が言う。
そんなこと言われても信じられるわけないもん。
純子にギュッと抱きつきながら、そう思った。