体育館12:25~私のみる景色~

「だってさあ、普通ケータイの機種なんか、あんなふうに聞かないでしょ! あれはね、メアド聞いてたの、メ・ア・ド!」


 涼が、もうガマンできないというように大笑いした。


 な、なんかバカにされてる?


 みんなも笑ってるし~……。


 ひとしきり笑ったあと、涼はにっこり微笑んだ。


 それはもう、みとれちゃうくらい可愛くね。


「まあ、自信持てとは言わないけど。そんなに自分を下に見なくってもいいってことよ?」


「千夏もそう思う~っ。だからね、今まで通りでもいいかもだけど、もしこれから先輩と関わるようなことがあったら、無理に関わるのをやめようとしなくてもいいんじゃないかなあ?」


「つまり、自分の気持ちに正直になれ、ということだ」


 みんなは口々に、励ますような、優しい言葉をつむいだ。


 私、頑張ってもいいのかな?


 好きでいて、いいんだよね……?


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