体育館12:25~私のみる景色~
まあ、この先何が起こるかは、わからないんだけどねっ。
話を聞いてもらったからか、ちょっと前向きになれた気がするなあ。
「とりあえず、うちらは見守ってるわ! なんかあったら話してよ? 女子にいじめられたりしたら、ぶっつぶすし!」
……涼の口からなにやら物騒な言葉がきこえたけど。
私のことを思ってくれてるんだよねっ。
「話を聞いた限りでは、亜希は先輩とやらと普通に話せてたようだし、大丈夫だろう」
そうなんだよね。
いざ喋ってみると、緊張したけど意外と普通に対応できたんだよね。
ああやって喋るまでは、姿を見られるのも恥ずかしいなんて思ってたのに、不思議だ。
「なんか、なにか起こりそうな予感がするぅ~!!」
きゃいきゃいと騒ぐ、賑やかな資料室の中。
千夏が楽しそうに呟いたこの言葉が、まさか現実になるなんてこのときの私はまだ知らなかった。