身代わり姫君の異世界恋綺譚

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琴姫は朝餉の時、陰陽師が来ると聞いて怒り狂ったように山吹にあたった。

「姫様、申し訳ございませぬ。どうしてもご様子が心配になったので」

山吹は怒りが納まるように畳に額をこすりつけるくらいに下げて謝る。

「わらわの許しもなくお前はなんと勝手な行動をしたのじゃっ！」

「申し訳ございませぬ……」

そこへ如月と言う女房がやって来て、陰陽師が来た事を告げた。

次の瞬間、きつかった琴姫の表情は和らぎ頭を下げている琴姫を見てぽかんとした顔になった。

「山吹、そんな所で何をしているの？」

いつもの優しい琴姫だった。

そんな様子に山吹はやはり物の怪がついていたのだと確信した。

陰陽師がこの屋敷に着てくれたおかげで、琴姫の身体からいなくなったのだ。