身代わり姫君の異世界恋綺譚
ある日、清雅は父に呼ばれた。

「最近、頻繁に怨霊がまちに出ていると聞いた」

清文が背筋をピッと伸ばして座っている息子に言う。

「はい。私もその話は耳にしています」

「弟子を数人、退治に行かせることにしたぞ」

清雅ほどではないが優秀な陰陽師を2人、陰陽の頭である清文は選んでいた。

「では私も」

「いや、お前はここに残りなさい」

「ですが!」

「あの者たちだけで良い。これは余談だった。話というのは真白のことだ」

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