身代わり姫君の異世界恋綺譚


『お前は……贄……』

――に、贄?

贄と聞いてこの世界へ来た時に言われた言葉を思い出した。

「贄って何っ!?」

ずるずる下がりながら、そして声は恐怖でうわずりながら聞く。

『おとなしくついて来るのだ』

真白の部屋に上がった男。

恐怖で動けない真白はとうとう男の手で両肩をガシッと掴まれてしまった。

「いやーっ!」

両肩の男の手を外そうと真白は暴れた。

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