身代わり姫君の異世界恋綺譚
◇◆◇

真白は自分の部屋で眠っていた。

男に攫われる寸前、紫鬼が現れ真白は助けられた。

真白を襲った男は怨霊に魂を乗っ取られていた。

もう少し遅ければ真白は怨霊に取り込まれていただろう。

穢れも受けており、紫鬼は急いで祓わなければならなかった。

――清雅の張った結界は強力だ。だが、怨霊は真白に近づいた……。

紫鬼はぐっすり眠っている真白の額に手を置いた。

――熱は引いたな。

真白の長いまつげが頬に影を落としている。

――なぜ真白が狙われるのだ?

< 142 / 351 >

この作品をシェア

pagetop