身代わり姫君の異世界恋綺譚
「道重、声が聞こえぬか?」
「そう言えば……はい 聞こえます」
木陰で涼んでいる2人の耳に、楽しそうな声が風に乗って聞こえてきた。
「あちらの方向は阿倍家の別邸がありますね」
この山はもともと阿倍家の物で神聖な場所としてあがめられていた。
昔、清雅の数代前の先祖が天皇家に場所を与えたと言われている。
「よし、挨拶に行くぞ」
「忠臣様がわざわざ挨拶に参る事はございません」
立ち上がった忠臣に道重が言う。
「おなごの声が聞こえるのだ。興味がある」
忠臣は口元に笑みを浮かべると、軽々と馬に乗り川沿いを歩かせた。
――また忠臣様の悪いお癖が……。
自分も女性は好きだが、忠臣の女性好きは目に余るものがある。
天皇家の三男は自由奔放な性格なのだ。
「そう言えば……はい 聞こえます」
木陰で涼んでいる2人の耳に、楽しそうな声が風に乗って聞こえてきた。
「あちらの方向は阿倍家の別邸がありますね」
この山はもともと阿倍家の物で神聖な場所としてあがめられていた。
昔、清雅の数代前の先祖が天皇家に場所を与えたと言われている。
「よし、挨拶に行くぞ」
「忠臣様がわざわざ挨拶に参る事はございません」
立ち上がった忠臣に道重が言う。
「おなごの声が聞こえるのだ。興味がある」
忠臣は口元に笑みを浮かべると、軽々と馬に乗り川沿いを歩かせた。
――また忠臣様の悪いお癖が……。
自分も女性は好きだが、忠臣の女性好きは目に余るものがある。
天皇家の三男は自由奔放な性格なのだ。