身代わり姫君の異世界恋綺譚
◇◆◇
寝所の布団の上で男女が絡み合っていた。
男は天皇家の三男忠臣、女性はわざわざ京から連れてきた女房の撫子(なでしこ)
「……忠……臣さま……」
忠臣の下で身をくねらせる撫子。
突然、忠臣の腕は撫子を離した。
「忠……臣……様?」
事の最中に突然止められて戸惑う撫子。
忠臣はそのまま立ち上がった。
訳が分からない撫子は胸を腕で隠しながら身体を起こす。
忠臣はすでに着物を着始めていた。
「出て行け」
いきなりの言葉に撫子はわからず動揺する。