身代わり姫君の異世界恋綺譚
陰陽師
「はぁ?」
――治してやろうかって、この人はお医者さん?
「紫鬼! このような者にそんな事までする必要はありませぬ」
真白が紫鬼の間に、腰に手をあてた清雅が立ちふさがる。
「清雅……」
紫鬼の口から小さなため息が漏れる。
どけと言う意味に、清雅は頬を膨らませて仕方なく脇へ避けた。
退いた清雅は真白を睨みつけている。
「痛む箇所に直接、私の唇が触れれば治る」
――く、唇っ!?
って、ことは……触れるのは……背中っ? そ、そんなの絶対に無理っ!
目の前の超絶美形が自分の背中に唇をあてるのを想像して、真白は大きく頭を振った。
「け、結構です」
そう言うものの、腕だけで身体を支えているのは困難で、すぐに布団に崩折れてしまう。
「そのままでは当分起き上がれぬな」
紫鬼が意地悪く言うのを、清雅もしてやったりと笑顔になる。
「何者かわからぬこの者が動けないのは良いことです!」
清雅はひとり頷く。
――治してやろうかって、この人はお医者さん?
「紫鬼! このような者にそんな事までする必要はありませぬ」
真白が紫鬼の間に、腰に手をあてた清雅が立ちふさがる。
「清雅……」
紫鬼の口から小さなため息が漏れる。
どけと言う意味に、清雅は頬を膨らませて仕方なく脇へ避けた。
退いた清雅は真白を睨みつけている。
「痛む箇所に直接、私の唇が触れれば治る」
――く、唇っ!?
って、ことは……触れるのは……背中っ? そ、そんなの絶対に無理っ!
目の前の超絶美形が自分の背中に唇をあてるのを想像して、真白は大きく頭を振った。
「け、結構です」
そう言うものの、腕だけで身体を支えているのは困難で、すぐに布団に崩折れてしまう。
「そのままでは当分起き上がれぬな」
紫鬼が意地悪く言うのを、清雅もしてやったりと笑顔になる。
「何者かわからぬこの者が動けないのは良いことです!」
清雅はひとり頷く。