身代わり姫君の異世界恋綺譚
「桔梗、嫌な予感がする」

清雅はざわざわと胸が騒ぎ始めていた。

――これほど呼んでいるのに姿を現さない。おかしい! おかし過ぎる!

「辺りを探してくるぞ! お前たちも真白を探すのじゃ!」

清雅は袴の裾をひるがえして屋敷の外に向かった。

いくら屋敷の周りを探しても真白は見つからなかった。

「どこへ行ったんだ……真白……」

そう呟く清雅は途方に暮れた表情だった。

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