身代わり姫君の異世界恋綺譚
紫鬼と清雅、紅は真白の部屋にいた。
刻一刻、外は暗闇に変わっていく。
時間を置いて紫鬼は真白の気配を探ったがまったく分からなかった。
「紫鬼が見つけられないとなると、真白は元の世界へもどったのか……」
それしか考えられないと清雅は思った。
「そう考えるのはまだ早い」
紫鬼が呟く。
「え?」
「庭の草花が荒れていたではないか」
あれは何者かが侵入した証拠。
「紫鬼様は誰かに連れ去られたと思っているのですか?」
紅が黙っていられずに聞く。
「物の怪の仕業ではない」
物の怪であれば残り香で分かる。
――人間がなぜ真白を攫ったのか……。
刻一刻、外は暗闇に変わっていく。
時間を置いて紫鬼は真白の気配を探ったがまったく分からなかった。
「紫鬼が見つけられないとなると、真白は元の世界へもどったのか……」
それしか考えられないと清雅は思った。
「そう考えるのはまだ早い」
紫鬼が呟く。
「え?」
「庭の草花が荒れていたではないか」
あれは何者かが侵入した証拠。
「紫鬼様は誰かに連れ去られたと思っているのですか?」
紅が黙っていられずに聞く。
「物の怪の仕業ではない」
物の怪であれば残り香で分かる。
――人間がなぜ真白を攫ったのか……。