身代わり姫君の異世界恋綺譚
「お前は真面目なやつだな」

クッと笑い、道重が注いだたっぷり入った杯を口に運ぶ。

屋敷へ帰ってからかなり酒を飲んでいる。

――このままでは忠臣様は衝動的にこの娘を犯しかねない。

道重はどうしたものかと考えていた。

考えているうちに真白の頬に触れていた忠臣の手はだんだんと着物の合わせ目に移動していた。

「忠臣様。この娘にお気をつけ下さい」

「なぜだ? こんな華奢な娘にどうされるわけでもあるまい」





真白は気分が悪かった。

――なんでこんなに気分が悪いんだろう……お腹も痛い……。

眠りながら真白は思っていた。

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