身代わり姫君の異世界恋綺譚
「この娘! 私を誰だと思っておるのじゃ!」

真白は怖くて今にも泣き出しそうだった。

「いや……いやだ! 来ないでっ! 紫鬼っ!」

「うるさい娘だ!」

泣き叫ぶ真白の頬を強い力で叩く。

叩かれた真白の身体は障子まで飛んだ。

「ううっ……」

障子に頭と身体をぶつけた真白は意識が朦朧としていた。

「ふん! 生意気な小娘め。私に逆らおうとするとは」

壊れた障子の傍に倒れている真白に、ゆっくりと近づく忠臣。

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