身代わり姫君の異世界恋綺譚
舌を絡めとるように濃厚な口付けをされて真白の身体がふわっと紫鬼にもたれる。

布団の上に横たわらせられると、背中に痛みを感じて真白は顔を歪めた。

「真白、後ろを向くんだ」

「え? 後ろ?」

紫鬼の手が真白の着物をするっと脱がそうと動く。

「し、紫鬼っ! い、嫌っ!」

「静かにしろ、傷の手当をする」

淡々と言う紫鬼に真白はかぶりを振る。

「き、傷の手当ってまた舐めるんでしょう?」

「もちろんそうだが?」

今更何を言う?と言うように小首を傾げてみせる紫鬼。

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