身代わり姫君の異世界恋綺譚
「だ、大丈夫だからっ。舐めないでっ!」
紫鬼の唇が触れるたびに痛みよりも甘い感覚が体中を走る。
舐められるたびに身体が疼いてしまうのだ。
「真白、穢れも受けているんだ。早く治さねばお前の身体は動かなくなるぞ?」
紫鬼の紅い瞳に見つめられ、着物を合わせた手が震える。
「でもっ!」
「なんだ?」
片方の眉を上げて真白を見る紫鬼には有無を言わさせないものがあった。
もちろん紫鬼なら人間を操ることなどたやすいだろう。
「……お願いします」
真白のこの言葉は紫鬼に操られたからではない。
身体が動かなくなっては困ると悟ったのだ。
都に帰れなくなる。
身体中が痛み、重く、治してもらわなければ重荷になってしまう。
紫鬼の唇が触れるたびに痛みよりも甘い感覚が体中を走る。
舐められるたびに身体が疼いてしまうのだ。
「真白、穢れも受けているんだ。早く治さねばお前の身体は動かなくなるぞ?」
紫鬼の紅い瞳に見つめられ、着物を合わせた手が震える。
「でもっ!」
「なんだ?」
片方の眉を上げて真白を見る紫鬼には有無を言わさせないものがあった。
もちろん紫鬼なら人間を操ることなどたやすいだろう。
「……お願いします」
真白のこの言葉は紫鬼に操られたからではない。
身体が動かなくなっては困ると悟ったのだ。
都に帰れなくなる。
身体中が痛み、重く、治してもらわなければ重荷になってしまう。