身代わり姫君の異世界恋綺譚
「ま、真白っ!?」

清雅は目が点になった。

陰陽師の自分でさえこんな事は出来ない。

「……出来た……あのね? 清雅、あの男に攫われる前に庭で知ったの」

手に持っている紫色の花は元気になっている。

「まさか、真白にこんな力があったとは……」

清雅が花と真白を見比べている。

「私にこんな力があるはずないよ。たぶん、紫鬼が力を与えてくれるからだと思うの」

――普通の女子高生なのだから。

「いや、いや、すごいぞ。真白っ」

かなり羨ましそうな顔になる清雅に真白はぷっと吹き出してしまった。

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