身代わり姫君の異世界恋綺譚
「一緒に寝ているのはいつものことだろう?」

清雅が言う。

「清雅様、寝るの意味が違います。 紫鬼様をこの女はか弱い振りをしてたぶらかしたんです。紫鬼様とこの女は契りを交わしたんです!」

紅の怒りは納まらないらしい。

アーモンド形の目を釣りあがらせて真白を睨みつける。

「紅、何を言っておるのじゃ?」

真白は恥ずかしくなって真っ赤な顔で立ち上がった。

紅の視線より、驚く清雅の視線の方が痛い。



「真白を苛めるのは止めろ」

いつの間にか紫鬼が近くに立っていた。

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