身代わり姫君の異世界恋綺譚
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『あの娘が都へ戻ってきた』


清蘭は真白が都へ戻ってくるのを手ぐすね引いて待っていた。

だが愛する紫鬼と真白が恋仲になったの知り、清蘭の心はどす黒い嫉妬の嵐に襲われた。

『悔しい……じゃが、紫鬼様のお心はわらわにある。あの娘はわらわの代わりなのじゃから。紫鬼様があの娘の身体を気に入っておるのならばわらわにとって好都合というものよ』

すぐにあの娘の身体を奪いたい。

それには自分の力が一番出せる真夜中にあの娘は屋敷から出なければならぬ。

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