身代わり姫君の異世界恋綺譚
「もう眠るがいい」

「……はい」

眠そうな声、真白は素直に紫鬼の胸元に寄り添った。

「紫鬼……私 幸せ。し……き……は――」

紫鬼はどうなのかな?と、聞きたかったのに睡魔が邪魔して最後の言葉はごく小さいものになった。

「私も幸せだ。真白」

擦り寄る真白の額に唇を当てると、華奢な身体を抱きしめ眠りに落ちた。

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